copywriter-住職’s blog

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「文化」は伝わっている様に見えるだけ

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世界全体で起こっていること
文化は伝わっている様に見える
 
近年、世界全体において
それぞれの文化や民族、宗教の間の価値観が問われています
高い障壁と言うよりは、底の知れない深い溝とも言える表現が相応しく
無いと思うところにあるのです
壁のように
意識的に超えていくべき高さがあるのであれば
乗り越えていくと言うイメージは分かりやすいのですが
 
通れると思っていた溝に足を取られた
沈まずに向こうまでたどり着く
と言う歩き方は、これと行った対策がイメージしずらいものです
 
その深さ、淀みは、一層深くなる方向に動き始めています
文化とは営々と気づきあげてきた地上の楼閣の様に言われますが
 
その実地下に深く沈み込んでいる、
静かに揺蕩う湖面からは計り知れない、起伏の激しい地下迷宮なのかも知れません
 
そう行った状況で求められるビジネスとは
お互いの歴史や文化を認め合い、対話し、尊重することで有る
 
というと、ああそうか!みたいに勝手に納得する人が多いと思いますが
現実は想像とは違うと思います
 
そんなに美しくありません
 
相手の文化の知識を学習したり、真似したり、それが文化理解でしょうか?
料理を食べるとか、お祭りに参加させてもらうとか
さらには外国の人と結婚したところで
異文化なんて理解できません。
 
悲観主義ですか?って言われると、悲観主義者かも知れません
文化理解ができると思っている人には、懐疑的です
なぜなら、文化とは見えているものでは無いからです
 
フランスで日本文化はどう需要されているか
言語学者の鈴木孝夫先生は
「タタミゼ効果」と言う表現をされました
 
フランス語にはそもそも「日本かぶれする」「日本贔屓になる」と言う意味で
「tatamis-er」と言う言葉がありますが
実際に日本語や文化に触れた人には、一種の心裏変化が起こるそうです
意見が柔らかくなるとか、優柔不断になるとか、一歩引いて考える様になる
などです
 
これは、日本文化が伝染したのかなと思われますが
全く違うことなのです
一言で言うと、美しき誤解をしてくれているのです
 
文化とは背負うものです
 
日本の文化を表現している人は
その背負っているものの大きさ、継承してきた人の偉大さの接点です
 
一方のフランス人にとっては
自国の文化理解の深さから
自分の持っているデーターベースから
それに匹敵するものを探そうとしてくれているからです
 
だから文化は伝わっている様に「見える」のです
 
逆に言うと、自国の文化に深く世界との価値とのつながりを認めない人は
他国の文化も誤解できません
 
その訓練を受けていないからです
 
今僕たちが日本文化だと思っているものは
日本が輸出して外貨を稼いできたと言うビジネスにすぎません
 
古くは朝廷時代、朝鮮半島と中国などです
新しくは日明貿易、明治の殖産興業
それから各地で技術を磨いてきた職人をそのまま
文化のスロットルに流用しているだけです
 
それを出荷してきたから
外貨に変換してきた文化なのです
 
世界と国際関係を意識しない人にとって
自国は存在しません
 
芸術や文化は意図的に作られたと言うのは
他国を意識しなくてはいけない状態で
自国の状態の不安定さを思い知らされた時です
 
現在、日本の文化と呼ばれるものは、職人の高齢化や後継者不足などで、ことごとく存続が危ぶまれていますが
これは文化がある国だと誤解してもらえなくなるところに
深い悩みがあります
伝統文化はそれゆえに、日本人が日本人であるための拠り所なのだと言えるでしょう
 
日本文化の発信とは、僕たちが「誤解できる他者」
になれると言うことです
ただ単に、日本文化が素晴らしいと「誤解」してほしい
それを求めることは
恥ずかしいことでは無いでしょうか
 
風になびく富士のけぶりの空に消て 行方も知らぬ我思哉
 
本当の世界ビジネスの展開はこちらから学べます
 
今日もお読みいただきありがとうございます