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政府の信用か通貨の信用か

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ビジネス上の人物を紹介する日です
今日は松方正義です
明治初期は戦争続きで
資金不足でした。

政府からの不換紙幣が濫発されます。
輸入超過で金銀が流出している中での紙幣価値下落、
つまりインフレは普通に考えて致命的な問題です。

借金づけの明治政府にあって
年々増大する対外的赤字をどのように解決するか
という政策の急先鋒に立った人ですが
悲しくも近代日本のターニングポイントと言える人です

大隈重信はさらに外国から借金をすることで
急場を凌ぎ、徐々に不換紙幣を整理する政策でした。
それに対して一切を自前で
急ピッチにことが進んでいったのが
松方デフレと揶揄される改革の発端です。

政府は赤字の官営事業を払い下げしました。
造船や炭鉱や銀山などです。
この時に財閥が出来上がっています
三菱や三井やそういったところです。

そして日本銀行が創設されて
銀との兌換紙幣としての信頼を回復します
のちの金本位制が可能になる準備段階としての銀本制です。

そして紙幣流通量を減らすための酒、タバコ、醤油などの増税です
めちゃくちゃな話ですが
これが行われたんですね

農村は商品を流通させる力を失い、
土地を売却するもの、身売りするもの、放浪するもので溢れます
226事件までの止まらないレールです

内戦を平定するために借金をして
さらにその借金を払うために内乱を引き起こした

という意味では
全く評価できません。
現にこの体制が昭和を決定するわけです。


考えてみれば、フランス留学時代に師事したレオン・セイの教えに忠実であろうとしたんでしょうね
そのためにあまりに性急な自前の通貨システムを独立させておく必要があった
自律的国民経済という観点からすれば
明治政府がよくヨーロッパの仲間入りを果たすための
代償を払ったのが松方財政なんですね

借金をどこでやめるか
ゆっくり緩和していくのか
急激に身を削っても解決させるのか
こういった問題は
当時の国際状況を見ても知識人の評価も別れました
福沢諭吉は猛反対しました

しかし、政府の信用以上に通貨の信用という意味では
どちらを取るかが難しいところです

仙人さん最後のビジネスモデル

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