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競争を避けよと語る哲人企業家

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競争を捨てよと語る哲人企業家
 
ピーター・ティールさんです
 
一見するところ、
 
日本のトップ投資家たちがやっていること
 
大体はティールさんの真似です
 
トランプ大統領の思考を読んでいる数少ない人であり
政財界両面での安定を感じる、当代きっての鬼才です
1998年にペイパルを創業
フェイスブックへの思い切った初期投資でも有名ですね
 
哲学の最高学府で学んだ経験と法学の実務的素地のある企業家として
魅力を感じます
 
 
 
アメリカで最も有力な経済学への期待は
パンの施しを受ける列を作る、社会主義化への予防策として
競争主義を神話として掲げることだ
しかし、永続的に、価値の主体であり続け
自らの利益を安定して獲得したいならば
他の交換可能なすべてのビジネス競争からは遠ざかり
ただ、独占権の獲得に全エネルギーを使うべきである
 
今日もっとも世界に影響力のある企業、例えばGoogle社は
過去10年間で検索という概念の圧倒的な提供者だった
そこには何の競争もありえない
その独占によって、社員を強力に導き、新たなサービスを提供して行く
自分のキャリアを考える人生設計で、優れたナビゲーターとなるマインドセット
競争しないこと
なのです
 
 
「人が争いあうのは、大概の場合、利害が一致しないからではなく、
それが一致しているからなんです。
ふたりの人間があるポストをめぐって争っているとしたら、
ふたりの欲求が一致しているからで、そういう争いは、極力避けるべきです。
世間は『競争』というものを過大評価しすぎているのです」
 
資本家の唯一のゴールは、市場を独占するところにある
競争というのはコミュニストのコンセプトであって資本家が目指すべきものでは
そもそもありえない
 
 
コンペティションは害毒であるというテーマで彼はこう語ります
競争は僕たちの身の回りのものにフォーカスさせる様に
僕たちの思考を追い込む
そして、その競争による獲得、満足の中に
より良い社会的な生き方があると
考えを固定させていきます
 
その結果、何が大事なことなのか
という視野と考え方を失って行くのです
我々の生きているこの世界で
ある意味で超越的な
真実に価値のあることが
見出せなくなります
 
競争が中心的モチベーションであるエンジンで世界が成り立っているとしたら
そこにあるのは競争者のコピーです
より競争を苛烈化して行く同業者に溢れていく危険があります
 
彼はMBA保持者を雇用することはありません
 
ティールさんが影響を受けた
The Sovereign Individualという本では
 
福祉国家が崩壊したとき、どうやって生き残り、富を築くか
にフォーカスしています
 
各個人が真に主体的であること
 
国家の残骸から、新たなグローバルシステムが生まれる
そこでは「知的エリート」が権力と影響力を誇り、
「独立個人」という階級として「大量の資源を支配」する。
彼らはもはや国民国家の支配を受けることなく、
自らに有利に働くよう国のあり方を変えていくと予言しています
 
 
競争はいったんそれ自体が目的となると進歩を抑制してしまう
ルネ・ジラールの欲望の現象学にはこの様に書かれています
 
われわれがあるものを欲するのは、それがそれ自体として望ましいものであるためではなく
他者がそれを欲しているからであり、
他者がそれを望ましいものとして示すからである
他者の欲望を媒介として
私たちの欲望は対象へと結びつけられ、主体、客体、媒体の三者で構成された欲望の三角形が出現することとなる
欲望は他者の媒介、つまりは模倣という行為を通じてしか成立しえず、三角形のドグマ的構造に規定されているわけである
 
三角形のドグマ的構造をいかに市場に読み取るか
ティールさんは
その有為な実践者と言えるでしょう
仙人さんのマインドセットには
彼の語録も多く散見されます
今日もお読みいただきありがとうございます