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ダーウィンさんのコピーライティング

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ダーウィンのコピーライティング
 
コピーライターとして
コピーを書いていくには
多くの友人が必要です
 
と書くと、月並みで馬鹿っぽい響きがあります
小学生かよとか思われそうですが
 
実際に自分が感じていることを表現したい時ほど
自分のボキャブラリーほどアテにならないことはありません
 
何を食べても美味しいとか
何を見てもスゴイとか
言ってしまうものです
 
 
知る力を育むには孤独が必要ですが
伝える力を養うには友人が必要です
 
伝える力は自分一人の価値観で作るものではなく
多くの視点や価値観が必要なのだと思います
 
独特の切り口で掘り下げたものは
表現されるときには違った視点で
伝えられなければならないというところに
 
表現の難しさを感じます
 
チャールズ・ダーウィンさんは誰もが知っている博物学者、生物学者ですが
同時代の学者に比べて彼が違った点は
研究の伝え方にありました
 
自然選択という概念を
自らの生き方と著作で表現したのでしょうか
コピーライティングを感じるんです
 
 
ダーウィンさんという存在の極めて興味深い点は
全く新しい、見慣れない、極めで独創的で個性的というよりは
 
種の起源という研究結果の表現そのものが
同世代のあらゆる分野の学者のまとめになっているという点であり
同世代的価値観を映し込める鏡になっているところです
 
猿から人間へという変化を指摘するという意味での
進化論は
祖父のエラズマス・ダーウィンがズーノミアによって
ラマルクにあっては動物哲学を通して
獲得形質の遺伝という考え方すら
すでに提唱していました
各々の持つ生命の能力
エネルゲイアという考え方からたどると、
アリストテレスもすでに進化論は唱えていると言えます
 
進化論はダーウィンさんによって初めて提唱された
考えではないんです
 
ダーウィンさんをもっと適切に表現するならば
人気のあるコピーを書いた人です
 
生物の進化をテーマにしながら
社会科学、哲学、地質学、歴史学、医学などの他分野に至るまで
ダーウィンさんは影響を与えるコピーを書いたのです
 
 
自然選択というダーウィンさんの発表した中で一番支持されている考え方があります
厳しい自然環境が生物に無目的に起こる変異を選別して、
進化に方向性を与えるという
自我意志よりも自然環境に対する受け身や偶然性を重んじた考え方ですが
これはマルサス人口論から得た着想です
 
ビーグル号でチリの地震を見た時に
地球がどうやって地質に年輪を刻みつけたのか
進化論を可能にする地質学的論証の確信を得たと言っていますが
その時に参考にしたのはチャールズ・ライエルさんの地質学原理でした
 
化石とその化石が発見された地層との関わりを考察した
年代測定法で地質とそこに含まれる化石の意義を明らかにすることで
地球の歴史と時間を分類した人は
ウィリアム・スミスさんです
化石と現存する生物との時間の差は
進化論に大きな影響を与えました
 
比較解剖学によって肉体構造と生態について動物を整理し
器官の機能という考え方を独立させたのは
ジョルジュ・キュヴィエさんです
それによって動物がどのように生存し
繁殖してきたのかが具体的に関連させることが出来るようになりました
 
種が不変でないことと共通の由来と自然選択を
単一の分割できない概念として提示した新年
 
当時のあらゆる基礎理論を
生物世界へ拡張させたことに由来します
 
そこには植物学者のジョゼフ・フッカーさんの助力がありました
 
バート・チェンバーズさんや
ルフレッド・ウォレスさんが
ダーウィンさんよりも先に進化論を発表しました
 
でも、ダーウィンさんほどのコピーではありませんでした
 
ダーウィンさんの進化論とは特定の個人の研究のコピーではなくて
時代のコピーだったと言えるのではないでしょうか
 
同時代的研究としての進化論は
友人のハクスレーさんによって思想化し、
 
同世代の社会学者であるスペンサーさんをして社会学的見地から
進化から進歩というモダニズム運動へと移行し
 
ナチス党の論理的根拠さえも務めることにもなりました
 
その影響力はそこで終わらず
ルィセンコさん、モノーさん、ドーキンスさん、ウィルソンさん
デネットさんへと読み継がれたコピーだったのです
 
 
社会問題とコピーの問題とは
同時代的配慮を深く反映する課題として
 
ダーウィンさんの忍耐力をお手本にすることは
コピーライターとして有益ではないかと考えた次第です
 
 
今日もお読みいただきありがとうございます