生命を生み出すシステムが生命を奪う
システム(system)は、相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体。一般性の高い概念であるため、文脈に応じて系、体系、制度、方式、機構、組織といった多種の言葉に該当する。系 (自然科学) の記事も参照。
それ自身がシステムでありながら同時に他のシステムの一部でもあるようなものをサブシステムという。
「ディペンダビリティ(信頼性)用語」は、信頼性に関係する分野・目的(たとえば信頼性工学)のために用語の定義を与えるものであり、必ずしも一般的な定義とは言えないかもしれないが、次のように「システム」を定義している。
所定の任務を達成するために, 選定され, 配列され, 互いに連係して動作する一連のアイテム (ハードウェア, ソフトウェア, 人間要素) の組合せ.
システム論とは、生命科学から機構上の知見を借り受け、数学から表記上の知見を借り受けた理論であり、それらを論理として普遍化した構想のことである。
とても幅広い概念ですし、抽象的です
システムが生み出すまでの全体像を追うには
相当な注意力が必要です。
なぜなら結果を生み出すモデルは
上述のように、形だけが注目されるからです
しかし
全体性がどのように生じるかについて何も説明できない点が問題とされます
そして、マーケットの変化についていくことが出来ません
今回のテーマの土台にあるのは
システムを創発として考える技法です
ビジネスとは創発を生み出す配慮である
創発とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない特性が、全体として現れること
emergence、発現が語源であり、物理などで使用されている用語です
組織論やナレッジマネジメントの分野でも使用されています
ある一定の要件に基づいた予測及び計画や意図を超えるイノベーションを誘発する様を示しており、自律的な要素が集結して組織化されることで、個々を凌駕するシステムや秩序が生じるからです
創造的な成果に結びつけるために、個人個人の能力や発想を組み合わせる取り組みとして注目を集めており、多くの企業に取り入れられています
伊藤穣一さんがわかりやすい説明をしてくれているので引用します
「例えばアリは一匹一匹に高い知性はありませんが、群れとしてはとても複雑な共同作業をします。巣をつくり、ごみ捨て場や、死んだ仲間の墓地もつくる。個々の単純な動きが相互に作用し、いわばボトムアップで思いがけない高度な秩序が生まれていく。そういう現象を創発と呼びます。例えば大都市でも、トップダウンの都市計画より住民の相互作用から生み出された街並みの方がうまくいく。これも創発です」
運営する側にとっては、形があると安心できます
これこれこういう枠組みに従っていけば間違いがない
そう思える形をシステムと呼ぶことで
人的資源やキャッシュフローや
意思伝達などに纏まった流れを把握できるからです
しかし、そのシステムという形が妨げてしまうものが
今日の経営の課題といっても間違いではありません。
形は自由な創意工夫を抑制する方向に働きます
そこでシステムと創発という概念を両立させるために
よく使われるシステムという言葉を形として捉えることに
疑問を投げかけます
伊藤さんはこのように続けます
「僕も日本をよくしたいと思って、日本の政治家や官僚と交流し、意見交換してきましたが、彼らは不透明な貸し借りや利害関係に絡め取られ、弱みやしがらみの中で生きている。だから思い切ってバットが振れない。何か筋を通そうとしても、99%は政治のための政治に頭を使わざるをえない。権力を手にするためのゲームのためのゲームです」
「仮に勝って権力にたどり着いても、たぶんものごとを1㌢進めるくらいの元気しかもう残っていなくて、それで倒れていく。第1次世界大戦の時の塹壕戦みたいなもので、ものすごいエネルギーの浪費であり、膨大な犠牲者を出す。こういう政治のやり方では、民主党だろうが何党だろうが、日本を変えるのは基本的に不可能に近いんじゃないか」
経営も閉塞的に考える形にとらわれて
もっとも大切なビジョンを見失います
エネルギーを奪います
ビジョンから始まったはずのシステムが
ビジョンを見失わせるための足かせになっています
ビジネスシステムは会社経営者だけの言葉だと思うのではなく
もっと根源的には生命そのものの説明です
僕たちの身体も生命システムによって成り立っています
そのシステムがどのように構成されているか
だけではなく
どこに向かっていくかを探求することで
本当の力を使うことが出来るようになるのではないでしょうか
一見無秩序に見える状況を前向きに受け止めていける勇気を
養っていくのが本当のリーダシップなのかもしれません
https://www.xschool.is/JrA_Sales/?vid=ImoG6A7V3Z
今日もお読みいただき有難うございます