copywriter-住職’s blog

copywriterをやっている住職のブログです。

月に夢中になっている一人の女の子

月に夢中になっている一人の女の子のとても美しいお話があります。
天に月がある時には、庭に彼女を連れ出せません。
なぜなら、月が欲しくて、小さな腕をいっぱいにのばしても、月は取れないので、
絶望のあまり、女の子は倒れてしまうからです。

ある満月の夜、泣いて、泣いて、その女の子は死んでしまいました。

 

「黄金物語」は、お話の中の女の子に似ています。
なぜなら、いつだってお友達のために、神にぴったり収まる以上のことを書きたいのです。
月を撮りたかったのと同じです。

 

 

今日はビジネスの本を紹介する日です
ホセ・マルティの黄金時代という本です。

 

南米の子供達への
マルティのほとばしる愛情が書かせた童話です。

しかし、この童話には全てが書かれています。
世界の成り立ちから、世の中にある美しいもの
インディオの悲しい歴史と、これからの世界の作り方です。

ホセ・マルティはジャーナリスト、詩人であり、革命家です。
キューバの国父とも呼ばれます。
カストロゲバラが尊敬していると告白してから、
この黄金時代は世界十数カ国に翻訳されました。

4回にわたる児童雑誌の合本ですが、これは本当に大作になるはずの本でした。
ホセ・マルティは志半ばで死んでしまったからです。

革命戦線に身を投じていた彼は、前線の偵察途中に狙撃されました。
43歳でした。

彼はパリ万博を書きます。
世界最新の高層建造物や、出来事、技術までを
色彩豊かに描くのは情景だけではなく、歴史を脱色することがありません。
フランスが革命後の100年を、どんな思いで国家を運営してきたかを
世界の国々に印象付けるのが、万国博の意図であると説きます。
エッフェル塔、総合芸術宮、工業宮など
フランスが祖国をどのように理解し、表現しているか
その風景と精神とを書きながら、

蒸気機関の構造であったり、
子供の視点で文章が綴られます。

次第に世界の国々のパビリオンの説明となり、
最後には南米の国々には、どのように誇るべきものがあり、
ここに集まっている世界のひととどうやって付き合っていくべきか、

そして、華やかなパリ万博をこれからの子供達がどうやって作っていくのか
そんなワクワクする筆致へと変わっていきます。

また別の号では
世界の詩人、画家、音楽家について書きます。
彼らがどのようにして美を追い求めたか
どんな優しい先生だったか
について書きます。
そして美術史の紹介で終わるのではなく、
それらの精神が、国を愛するという一貫性したテーマを表現していたことを
酌み取らせる内容になっていきます。

アメリカで今流行っている最新の遊びを教えて
そして、昔にはどんな遊びがあったのか
メソアメリカの古い伝統について語ります。

雑誌そのものの根底に流れる一貫したテーマとが
ラテンアメリカのその時々の状況によって酌み取られる時代性を持ち、
滅びることのないメッセージを感じさせます。

イリアスを紹介しながら、
イリアスはなぜ古典として優れているのか
そしてメソアメリカの神話は
今日どう読まれるべきかをときます。

尽きることのない話題とジャンルのお話を通して
世界の過去と今と
南米の今とこれからとを
見事に繋いで理解させていくのです。

吉田松陰福沢諭吉魯迅や、ベンジャミン・フランクリンなどの立場を
併せ持っています。

僕たちの日本で黄金時代は描かれないのでしょうか。
今の日本とこれからの日本を
これまでの世界と結びつけて子供達に伝えられる童話があるでしょうか。

 

仙人さん最後のビジネスモデル

今日もお読みいただきありがとうございます。