copywriter-住職’s blog

copywriterをやっている住職のブログです。

鋼鉄の魂を持った男

アインシュタインさんは
こう言いました
常識とは、18歳までに積み重なった偏見でしかない

常識を破る、自己革新をするというところが
シフトしている時代の行き方と言えそうですね

 

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tim


諸外国26カ国の社会人の大学進学率は平均20%だそうです
例えばアメリカの大学は卒業しても、更に博士号がとりたいというような場合は、必要な単位を働きながら取りつづけることができるそうです。
そして取った学位によって昇進・昇給のチャンスも増えるというのですから、
人生を上書きしていくモチベーションは
自然と高まりますね。

しかし、本当に常識を破るということは

単なる成功への憧れによって成し得ることができるのでしょうか?

 

今日ご紹介するのはティム・ラサート
アメリカのジャーナリズムの良心と呼ばれるテレビジャーナリストで弁護士、そして作家として有名な人です。
トークショーの司会役のことをモダレーターというのですが
Meet the Pressという著名人や政治家を招いての討論番組、これは60年以上続いている番組なんですが、この番組を91年から担当していました。

アメリカのタイム誌は、彼を2008年の「世界で最も影響力のある100人」に選びました

人気の秘密は彼の気骨です。

労働者層の、尊敬すべき父に教育されたことを誇りとして、どこまでも民衆目線のインタビューを生涯を通して試みたところです。

彼はいいます
「この番組を見ることは、歴史の肯定に立つということを可能にする」

「人類がこれまでの歴史上怠ってこなかったトレーニングは、人を徹底的に掘り下げて調べることだ、彼の魂を持ち上げるために」

「メディアのもっとも原理的で基礎的な役割とは
政府の政治的問題の帰結について責任を明らかにすることだ。
たとえ罵りの言葉に身を横たえようと、デモクラシーを動揺させようと、共和党員を浮足立たせるハリケーンに対しての対処法をあやまって伝えようとも、
その本質に比べたら大したことはない」

「そして、メディアとは学びです。愛すべき人を愛することを学び、許されざる人を許すことを学ぶのです」


とにかく討論会前には徹底的に相手を調べ上げ、
過去の発言や社会的活動と、もし現在の政治的立場や信条に不一致があると、容赦ない追求をするというスタンスを持っていました。

それはあの答弁に卒のないオバマ大統領でさえも答弁に汲々とするくらいです。

例えば
ブッシュ大統領に対して
イラク戦争は、自ら選んだ戦争だったのか、あるいは必要に迫られた戦争だったのか
などと責任性を追求したり

アメリカの銃規制問題でにあっても
市民の視点を持ち続けます
イェール大学の経済学教授John Lottさんは、
もっと銃を所持すれば犯罪が抑止されるという独特の論調で有名な人ですが
More Guns,Less Crimeといっていますが

「銃の携行者が多くなればなるほど、アメリカ社会はより安全となるのだ!」
そんな理論武装した
学者を目の前にして、
そんなことは実際可能なのかと問い詰めます。
一貫して庶民としての姿勢を保ち、
社会的正義と理解を追求する情熱家でした。


残念ながら2008年に58歳で亡くなりましたが、
彼の葬儀には、生前痛い目を見せられた番組の出演者や、政治的に批判された人たちも参列したといいます。
それだけ敵味方を問わず、敬意を払わずにはいられないほどの情熱と一本筋の通った気骨を
知らないアメリカ人はいないといわれるくらいです。

社会学者、経済学者のマックス・ウェーバー
現代の政治家に一番望まれるべき職業とはジャーナリストであると言いました。

彼は近代の合理主義の帰結としての官僚主義をどこか冷めた目で見ており、
人類は鉄の檻に入れられた
という表現をしました。

ティム・ラサートは、その鉄の檻の外に立っていた人でした。

どこまでも、一般市民として政策をどのように考えれば良いのか、という責任感を共感させた彼の姿勢は、
近代に生じた社会的連続性の亀裂を
メディア優位ながら劇場化として充足させる
市場的欲望の体現者であったと評価できます。
トランプ大統領の台頭は、このあたりからも考察するべき問題です。

一般的な、凡百のニュースキャスターはどうか
国家と市民の良好な関係を自由に論じる前に、「経済」という「概念」に自らの「政治性」を抑制してしまっているのではないでしょうか。

近代を越えていくビジネスモデルとは、行き方の姿勢そのもののことです。

 

 

仙人さん最後のビジネスモデル

今日もお読みいただきありがとうございます。